栄養学を学ばない?
病気の予防や治療などに携わっている医師。以前現役の医師から「医学部では栄養に関する勉強を殆どしないので、栄養が人間の体にとってどのように必要で大切かとか、具体的にどれをどれだけ食べればいいのかなどは全く知らない、と言ってもいい」と聞き驚いた。
診察の時に「栄養のある物を食べて」とか「たんぱく質を沢山とって」とか言われたことはあっても、具体的にどういう食物をどのくらいという具体的なものを言われた事がない。その医師が「具体的にと言っても知らないから伝えられないです」とも。
考えてみれば、栄養指導は栄養士や管理栄養士などの専門家の分野。医師は病気を治すなどに専念すればいい訳で栄養のことはごく一般的な事を把握していればいいのかも知れない。
分子栄養学では、私たちが口にする食べ物から得られる栄養素が人体の各臓器にどのように働いて、どのような作用があるのかを大変重視している。60項目以上に及ぶ血液検査で、過去1ヶ月間にとった栄養がどういう物であったかまで分析が出来る。だから「この栄養素が足りない、これがもう少し足りていればこの症状が改善する」と言ったようなアドバイスの元に食事を中心にした上での栄養素(サプリメント)が処方される。
体の仕組みや働きが栄養素によってどうなるのかを詳しく学ぶ学問に「生化学」という分野がある。私もちょっと試しに読んでみようかと、「やさしい生化学」の本を取り寄せてみたが、元々理系が苦手なので読んでもちんぷんかんぷん。
この生化学をしっかり学んでいると人間の体の仕組みや働きが生理学などとは違った面で学べると言う。
医学部に入ると大概1年生の時学ぶそうだ。ただ、先ほどの医師によると「大変退屈な授業で、まじめに勉強しない学生が大勢いるのが事実。分子栄養学に基づいた栄養療法を知ってから、病気になる仕組みがよく分かり、そのためには生化学をもっと1から勉強し直さないといけないと痛烈に思っている」と言っていた。
栄養学も生化学も大切な学問であるようだ。もしこれを医学部の学生の方、もしくはこれから医学部を目指す方が見ていらっしゃれば、是非しっかり学んで欲しいと、一患者家族としてお願いしたい・・・