低血糖症を血糖調節異常と言っている訳
私はこのブログでよく血糖調節異常=低血糖症と書いている。
一般的に「低血糖症」と言うと、糖尿病で血糖値が急激に下がって低血糖になる場合と同じと思われている。
血糖調節異常でも確かに血糖値が異常に下がり、人によって、時と場合によって生命に関わるくらいに血糖値が下がってしまう人もいる。
しかしここで言う「低血糖症」は単に血糖値が下がるだけではなく、人によって血糖値が激しく上下したり、血糖値が上がらずに平坦に分泌され、下がっていくタイプ。
一見正常な血糖値を示しならその後上がってしまうタイプ。または下がっていくタイプと様々なタイプがある。
血糖値が変化することによって(色々なホルモン分泌によって)起こる心身の不調を伴う物だ。
「低血糖症」という病名はある意味誤解を与えていることが多く、医療関係者にも正しく認知されていない事が多い。
自分の体調不良が低血糖症ではないかと思って病院に行って、医師に尋ねても「あなたは糖尿病ではありませんから、低血糖症にはなりません」などと言われてしまうことも、あり得るのだ。
逆に健康診断などで血糖値を調べた際、空腹時血糖値が基準値を下回っていると、「糖尿病の疑いがあるので、検査をするように。血糖値が下がりすぎると生命に危険なので、砂糖やブドウ糖をすぐにとって下さい」とも言われる可能性がある。
けれどここで言っている「低血糖症」は、糖尿病でも膵臓に腫瘍(インスリノーマ)が出来ることによって起こるなどの低血糖ではないのだ。
低血糖症の人が血糖値が下がったからと言って、糖尿病の人が緊急に口にする砂糖やましてブドウ糖をとったら、人によってはますます血糖値が下がってしまうことになり、もっと危険なのだ。
糖尿病で言っている低血糖症(低血糖)とこのブログでも言っている低血糖症は違うものだ。
(しかし、糖尿病と低血糖症は血糖調節の異常という上では、同じ範疇に入る。)
ここで言う低血糖症は『機能性低血糖症』と言われている物で、『食原性低血糖症』・『反応性低血糖症』・『無反応性低血糖症』・『乱高下型低血糖症』(正式な名称ではないようだ)などに分類される。
そのほか糖尿病と機能性低血糖症の混合型、アルコール依存を伴うもの、甲状腺機能異常や低下が原因になっているものと、機能性低血糖症と言っても様々で、人によって違うものなので、その治療方法(薬やサプリメントの処方も含む)や症状の対処法、食事の仕方などが全く違ってきてしまうのだ。
これらの低血糖症のタイプや個人の血糖値の変化などをよく検査し、正しく分析した上でその人に合った治療や栄養指導が必要となってくる。ここで大切になってくるのは5時間に及ぶ糖負荷検査だ。
また、この検査結果をもとに低血糖症の診断基準もあるので参考にして欲しい。Dr.ニューボールドの診断基準