腹水とアルブミン・・アルブミンの話1-2  腹水が溜まった大きなお腹

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腹水が溜まった大きなお腹

私の母が大腸ガンから肝臓に転移したガンで亡くなったのは、もう10年前になります。

亡くなる何日か前、お腹に腹水が溜まり苦しんでいました。

これ以上溜まると他の臓器を圧迫するので、お腹に針を刺して「水」を抜いていきました。

双子の臨月とでもいえるような大きなお腹でしたね。

水といっても体内の栄養分や体液、アルブミンを含んだもの。

無知な素人はこの水が何なのか、どこからこんなに出てくるのか当時は知らなかったのです。

水を抜いている看護師に尋ねました。「この水はアルブミンです。」アルブミンはアルブミン製剤という薬品名を聞いたりして知ってはいましたが、何のことだか全く分からなかったです。

一日に1リットルからせいぜい2リットルの腹水を抜くのだということで、それ以上抜くと体のバランスが崩れて生命に危険が及ぶと・・

(一日に抜く量については患者の状態による。これより多く抜くこともあるとか)

抜いた後少しはお腹も楽になったのもつかの間、翌日にはまたふくらんでくる・・・

また抜く・・

タンパク質不足を診る!のアルブミンの所でもご紹介したように、アルブミンが減ってしまうと生命に危険が及びます。

こちら https://goo.gl/gKygHm

特にガンの末期などで母のように腹水が溜まってしまったとき、腹水を抜けば抜くほど生命維持に必要なアルブミンが抜けてしまうのでとても困ったことでした。

栄養療法を知るにつけ、アルブミン濃度が低下してしまうことがどんなに危険な事なのか・・・

そうなる前にアルブミン製剤の点滴でアルブミンを上げておくなどの処置をして体の良い状態を保っておくことも必要になるそうです。

ガンは特に究極の栄養欠損だから、タンパク質不足と超貧血を補うことで少しでも進行を抑えることが出来る可能性があるということ・・。

抗ガン剤、放射線などの治療も大切で必要だけれど、体全体の栄養欠損があったのでは、それらの処置での副作用も出やすく、よりよい効果が出ない・・

栄養療法で栄養を補いながらガンの治療をしていくと副作用も出にくく治療の効果が違う・・・ということ。

腹腔-静脈シャント術(デンバー)=デンバー・シャント

腹水の事を調べていたら、腹水を抜くだけではなく、体に必要なアルブミンなどをもう一度体の中に戻すという方法があると紹介されていました。

アルブミンの重要さを考えたとき、腹水などで体に水が溜まったからといって抜いてしまうのは、その後の体力低下などのリスクを考えるとジレンマに陥る所なのではないかと思うのです。

でも放っておくわけにはいかず、軽度なら利尿剤で尿として出す方法から始まり、お腹に針を刺して抜く方法(腹水穿刺)くらいしか知らなかったけれど、最近患者にとってよりよい方法があるらしく、詳しい本も出ている様なのでご紹介。

腹腔-静脈シャント術(デンバー)=デンバー・シャントという方法で下記のように説明されています。

局所麻酔をして、腹水のたまっている鎖骨窩静脈まで、デンバー・チューブを埋め込みます。

体の右側でも左側でもかまわないのですが、肝臓がんが生じたときに、右側ではチューブが治療の邪魔になることがあるので、私は原則として左側で行っています。チューブには逆流防止のための2連弁がついていますから、腹庄と手動式ポンプの作用によって、腹水は鎖骨窩静脈から上大静脈を通じて血液の中に戻されます。

腹 水(難治性腹水)から引用

肝臓がんと肝硬変―大丈夫。あきらめてはいけません
島村 善行