プロトンポンプ阻害薬(PPI)のネキシウム(一般名エソメプラゾールマグネシウム水和物)カプセルに、1歳以上の幼児および小児の用法・用量が追記されました。ただし、認められた適応は成人と異なり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群です。非びらん性胃食道逆流症は10mgカプセルのみ認められています。投与量については、体重が20kg以上と20kg未満に分けて設定されています。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/sako/201801/554607.html
胃酸抑制剤= プロトンポンプ阻害薬(PPI)とは??
文字通り、胃酸の出(分泌)を抑制するものです。
なぜこの薬が処方されるかというと、すっごく簡単に書いちゃうと、
「胃酸の出方が多すぎて逆流するから」ということで処方されます。
(今回承認されたのは潰瘍治療が主らしいですが、子どもでしかも1歳くらいの子どもが潰瘍にどれだけなるんでしょうか・・)※頻繁に逆流することで潰瘍が出来るのは確かですが・・
逆流するのは胃酸が多すぎるのではなくて、胃の入り口(食道の下、胃の上の方)の閉まりが悪いから逆流するのです。
胃の入り口は『噴門部』(ふんもんぶ)といい 、食べ物や飲み物が入ってくる刺激などで開いて、 胃の中が食物などでいっぱいになると閉じて逆流しないようになっています。
胃の噴門部の働き・赤ちゃん
胃の噴門部が閉じるのは、「下部食道括約筋」という筋肉が関わっています。
この筋肉が粘膜が弱かったり加齢などでうまく作用しなくなることで起こってきます。
子ども(赤ちゃん)などはまだ筋肉も粘膜も未熟です。
胃の形状も大人のような形ではなく生まれてからの日数が浅ければ浅いほど胃の形は大人のようにくびれがなく筒状でストレートです。
なのでおっぱいやミルクを飲ませた後、げっぷをうまくさせないと『吐く』ことになってしまうのですよね。
これはけして胃酸が逆流しているわけではありません。
筒状のものが逆流しやすいのはものの通りです。
大人の胃・ではなぜ、閉じずに開いたままなのか?
開いたまま、というか『閉まりが悪いか』
★粘膜や筋肉が弱いから
粘膜が弱いとどうしても動きも悪くなります。それに伴って筋肉の働きも悪くなるので閉まりが悪くなりがち・・加齢にもよりますが、若くてもこのような状態の方はいらっしゃいます。
★カルシウム・マグネシウム不足だから
意外に思われるかもしれませんが、カルシウム、マグネシウム(以下、カルマグ)というのは筋肉を動かすのにも大切なミネラルなのです。
胃酸を分泌しなさい~と命令するのもカルマグの働きなしには出来ません。
そして筋肉を動かすのもこのカルマグが不足しているとうまく働きません。開いたり閉じたりの筋肉の動きにもカルマグは重要です。
このカルマグ、他の筋肉を動かすのにも必要です。
こむら返りを起こしやすい、運動しているときに足がつりやすい、なんて言うのもカルマグ不足も関わっています。
なので胃酸の逆流は胃酸の量が問題ではないのです。
ちなみに昨日のブログはこちら
長くなったのでこの話は次回に続きます。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★