栄養療法では低血糖症の治療には穀類も減らすべき、と指導される
穀類とは、米・麦・雑穀(米や麦以外のとうもろこし、そば、あわ、ひえ、きびなど)を言う。
穀類も当然「炭水化物」であり、血糖値を上げやすい食材であることには変わりない。
以下は『本当は怖い低血糖症 マクロビオティックが現代の病を治す』
から、「穀類はしっかり摂る」と言う説明があるので一部引用する。
穀物こそ人間に必要な糖質
ご飯をしっかり食べることで、精製糖への欲求を減らせます。
必要な糖質であるご飯が不足すると、人は本能的に糖分を求めます。それがつい、現代では精製糖の入った加工食品になりやすいのです。しっかりご飯の糖質を食べてみて下さい。
低血糖症の治療でまず言われるのは「炭水化物を減らすこと」つまり米や麦を含む穀類(特に精製されたもの)、その加工品(パン・うどん・ラーメンなどの麺類含む)を出来るだけ減らす事を指導される。
摂るのは最低限、と言う事。
日本人の主食である米も当然白米は避け、玄米か玄米に近い未精製の米、麦、雑穀を混ぜるなどして少し食べるよう指導される。
(雑穀はビタミンやミネラル、食物繊維なども豊富でGI値の低い物も多いので、米の量を減らして食べるにはいい食材でお勧め)
とかく低血糖症の人はご飯が大好き、パンが大好き、麺類が大好きという人が多い。
ご存じの通り、これら穀物は未精製であればあるほど血糖値を上げやすい。
(砂糖などに比べると上がり方は緩やかだが、摂った分の糖質は100%ブドウ糖に変わる)
日本人を始めアジア人は特に糖代謝が上手くいかない事を考えれば低血糖症でなくても食べる割合を減らすべきだ。
だから血糖値を上げないように、つまりインシュリンを分泌させない=血糖値を上げる為の各種ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン・グルカゴンなど)の分泌を抑える=膵臓・副腎の疲弊を防ぎ、血糖の正しい調節と安定・・・という重要な意味があるからだ。
人間にとって必ずしも糖質・糖類は摂らなくてもいい。つまりもっと言ってしまえば穀類は食べなくても生きていかれるのだ。
何故ならたんぱく質や脂質からも糖質・糖類よりは時間はかかるけれど人間の体に必要なブドウ糖に変わり、利用出来るからだ。
栄養療法に於いて穀類摂取(炭水化物・糖質・糖類)を制限され、その分しっかりたんぱく質を摂る、とりわけ動物性たんぱく質摂取を少量頻回摂るという指導は、何より血糖値を上げないため・安定させるため・血糖値の変化に伴い分泌される各種のホルモンの分泌過剰を抑えるため・分泌を抑えることによって疲弊している膵臓・副腎を休ませ機能を回復させること-これらは治療の上で非常に一番重要であると言ってもいいくらいだ。
だからマクロビが勧めている『穀類をしっかり摂ることで甘みへの渇望を抑えられる』と言う解釈とは全く異なる。
栄養療法では渇望を抑えるだけでなく上記に書いた様々な働きを抑え、臓器を守って機能を回復させる為に極力摂らないようにする訳だ。
私の個人的な考えだが、マクロビのこの方法だと甘みへの要求は抑えられる人もいるかもしないが、各種ホルモンの分泌はどうだろうか? それに伴う臓器の疲弊改善は? これらなしに本当の回復は望めないと考えている。
マクロビをやっていて低血糖症が悪化してしまった、という話はよく聴く。
玄米がいいと量を減らさず食べる、動物性たんぱく質は減らすなどの指導が低血糖症の症状を増悪・悪化させてしまう事も多いのだ。