アドレナリンの発見者は日本人だった
私がアドレナリンの事を色々調べているうちに発見者は日本人だった事が分かった。
このことで思い出したのが、中学生頃だったか家庭科の時間に『大根にはジアスターゼと言って消化酵素がたっぷり含まれ云々』と習い、このジアスターゼを発見したのが日本人だった、というもの。
このジアスターゼ(タカジアスターゼとも言う)を発見した人とアドレナリンを発見したのが同じ人で、高峰譲吉氏とあって驚いた次第。
この二つの発見は世界的に有名だそうで、アドレナリンについては最近まで知らなかった。
発見は明治33年、1900年にその抽出と結晶化・分子式もC10H15NO3とした。高峰氏は仔牛の副腎からの抽出に成功。 (後に訂正し、C9H13NO3とした)
ドイツのフェルトは豚からでスプラレニン(C5H9NO2)と命名。
アメリカのエイベルは羊からでエピネフリン(C
高峰氏が亡くなり、アドレナリンの特許が切れた後、1927年にエイベルは、高峰氏が1900年にエイベルの研究室を尋ねてあれこれ見学した後、研究を盗んだなどの汚名を着せられ、アドレナリンの発見はエイベルが先だった、云々と発表しの不名誉な年月があったという。
その55年後1982年にもミシガン大学の生理学者、ダベンポートが追い打ちを掛けるように論文を発表し、高峰氏の発見もアメリカの学会からますます追放されてしまった。
今でも「アドレナリン」と言う文字が入った論文はアメリカで受け入れられず、認められないとも言う。ただ、ヨーロッパなどではアドレナリンが正式名称で通用しているらしい。
また生物学の世界では世界共通でアドレナリンと呼び、医学界では世界共通でエピネフリンと呼ばれていると言う。
日本でも薬物名はエピネフリンと言われていたようだが、2006年にこれもアドレナリンに改められたと言う。
アドレナリンの発見者が日本人で、その後このような経緯があったとは・・
血糖調整異常=低血糖症の事を知らなかったら、ここまでアドレナリンに関して調べなかっただろうから、このエピソードも知らなかっただろう。
興味深いエピソードだ。
無反応性低血糖症の人はうつになりやすい
このタイプの低血糖症は、インシュリンの分泌が悪く、食後の血糖値がなかなか上がらずに、食後、時間があけばあくほど、そのまま更に下がってしまうタイプ。
以前から何度も書いているが、血糖値を下げないようにアドレナリンが分泌される訳だけれど、このタイプは下がって行き続ける血糖値を上げるため、アドレナリンが過剰に分泌されてしまう。
このため反応性低血糖症よりも、精神症状が出やすく重症と言われる由縁。
低血糖症治療と研究の日本での第一人者柏崎良子医師は、このタイプの低血糖症の人は、アドレナリンが敏感に働く人が多く、その為脳の感情の動きに理性の働きが追いつかず、脳の神経伝達物質の調整が乱れて、うつになりやすいことが分かってきた、とあるコラムで書いている。
アドレナリンに敏感なため、思考が追いつかず、理性的な感情表現が出来なくなってしまう、とも書いていて、治療の他に自分の感情を上手く表現すると言ったような、カウンセリング的な訓練をする必要があるかも知れないとのことだ。
我が子の低血糖症もこの無反応性で、これを読むと今までの状態がよく理解できる。なかなか考えがまとまらなかったり、時々ちぐはぐな事を言ってみたり、ぼおーっとして覇気がなかった。体調が悪くなる前とは全く違ってしまい、心療内科でもうつ状態が続いている、と言われていた。
アドレナリンの分泌がこのように心身共に影響が出ることをふまえ、無反応性低血糖の人は血糖値が下がり始める前に(この時期については個人差があるので、OGTT検査で確認する必要がある、とされているがあまりお勧めしない検査)軽食やプロティンなどをとって血糖値を安定させることが大切になってくるわけだ。