心臓病と間違われる・・・貧血を考える 11-

酸欠の体がフル回転すると・・・

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貧血は全身が『酸欠状態』と以前書きました。こちら

人間の体には隅々にまで血液が栄養素と酸素とを運んでいる。

ところが貧血があって酸素が足りないとどうなるか?

そういう状態でも体の重要な部分に酸素を送らなければならないから、重要な部分優先で酸素を送る・・・優先一番は脳。

血液の中にある酸素が足りない訳だから、全身に酸素を送ろうとするとどうしても無理がかかる。

貧血で無理がかかる臓器。それは心臓。

生きている間ずっと休む間もなく一定のリズムで血液を全身に送るべく、私達が想像する以上に心臓は力強く鼓動している。

(余談だが獣医が犬の外科手術をしたときに、心臓に触れる機会があって手で触れた瞬間、その手が吹き飛ばされそうな勢いで驚いた、というのを聞いたことがあります。
中型犬だったそうだけれど、あまりの鼓動の強さに触れた手が押し戻されてしまったのだといいます。体の大きい人間はもっとすごい力で動いているのだろうと想像して驚いた、と言っていました。)

大人のこぶし大くらいの大きさといわれている、成人の心臓の大きさ。

この大きさの心臓から頭のてっぺんから足先まで血液を送っているのです。

太い動脈、静脈。手の先、足の先、そして目に見えない一番大切な臓器である毛細血管だらけの脳にも血液が送られる。勿論その他の臓器にも。

酸欠の血液はその運搬が難しい。

でも体は生きていくために血液を回して行くことが必要・・・

そうなると血液を送り出す心臓が貧血でない人よりフル回転して働く・・

フル回転が続くと・・・心臓病と間違われる

フル回転をずっと続けていたら、機械だったら途中で油が切れるかも知れない。モーターが焼き付くかも知れない・・・

人間の体は実によくできていて、ある程度のことなら体が慣れてそれに順応してしまう。

けれど心臓にはかなり負担がかかっている訳です。

貧血の期間が長ければ長いほどその影響は出てくるリスクは上がります。

心臓の内膜はフル回転のため分厚くなる・・・心肥大のようになるといいます。

いつもフル回転のため時々は息切れの状態になる・・・不整脈が出る

心臓に負担がかかっているので心臓の弁が上手く働かなくなる・・・心臓弁膜症のようになる

これらだけでなく自覚症状として、胸の苦しさ、息切れ、呼吸困難、疲労感、むくみなどなどが出てしまうのです。

このような状態があって病院を受診したらリッパに『心臓病』と診断されてしまいます。

中には手術をされてしまった人もいると聞いて驚きました。

この心臓の状態の原因は『貧血』で起こるリスクも高いです。

貧血は怖いのです。

「私貧血なのー」と若い女性が時々言っているけれど・・・そんなのんきな事を言っている場合じゃないんですけれど・・

貧血治療には一般の病院に行けば「鉄剤」を処方されることもあるでしょう。

これは副作用が出やすく、余り効果は期待出来ないと言われています。

けれど今の病院の制度では栄養素の「ヘム鉄」を出すわけにはいかないから仕方ないのです。

貧血の予防とある程度の回復にはまずはタンパク質。しかも動物性のもの。

特に鶏や豚、牛のレバーも有効。

魚の赤い部分の血合いもいいです。

とにかくたっぷりタンパク質を摂ること。

鉄剤やヘム鉄を摂ることだけでは改善せず、必ずタンパク質とセットで摂ると効率よくヘム鉄が吸収できます。

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てすとてすと

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